名古屋系(なごやけい)は、日本のロックのサブジャンルのひとつで、
まだヴィジュアル系という言葉のなかった1990年代はじめの名古屋市の音楽シーンに由来するものである
(当時はお化粧バンド、逆毛バンド、ハードロックゴシック系などと呼ばれていた)。
藤が丘のライブハウス名古屋ミュージックファームを拠点とするバンドが多かった。
一般的なヴィジュアル系に比べ、よりダークでより陰鬱なものとされることが多く、曲の激しさと歌詞の暗い重さが特徴とされているが、
80年代ビートロック系のバンドや、インダストリアル・ロック色の強いバンドもあり、明確な定義はない。
西洋(特にイギリスの)パンク・ロック・バンドからの音楽的影響を多々受けていると思われるバンドが多く、バンドの焦点は、服装や化粧よりも、複雑な楽曲構成と音楽自体に置かれている。
インディーズ時代の
黒夢、
Laputa、
ROUAGEらのサウンドが名古屋系を作り上げたとされる。
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1980年代、
アンダーグラウンドでポストパンクのムーヴメントが起きる。
このムーヴメントは、今池式、今池ロッカーズなどと呼ばれた。
ROOTSのヴォーカリストもくあきおは「今池ロッカーズは、80年代初頭のニューヨークアンダーグラウンド/ノーウェーブに共時進行していた東京ロッカーズに呼応しているものでもあったといえよう。」と考察している。
1980年代前半ころから、
Electric Lady LandなどでClowley、Sniper、Tiltらが名古屋のヘヴィメタルシーンを盛り上げる。Laputaのakiは高校時代にSniperやTiltのコピーバンドをしていたと述懐している。
1986年に、
『Underground Romance−名古屋アンダーグラウンドロマンス−』というオムニバスアルバムがリリースされる。
このアルバムには、Lucifer Luscious Violenoueが在籍していたゴシックロックバンドGille' Lovesが楽曲を一曲提供している。
1989年、Silver-Roseが結成される。
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1990年代はじめになると、
「名古屋系」という言葉が流行しだす。このころのシーンでは、
Silver-Roseを筆頭に、
TI+DEE、
マニキュア、
Sleep My Dear、
MERRY GO ROUND、
Sus4、
GARNET
などのバンドが活動していた。
1991年、
黒夢が結成される。インディーズシーンではSilver-Roseと並んで「名古屋2大巨頭」とされていた。
同年、VIVIAN LEEで活動していたKouichiがSilver-Roseに加入。
1994年、
黒夢がメジャーデビューを果たす。一方で、Silver-Roseが解散。
ギターのKouichiは
Laputaに、
ベースのKaikiは
ROUAGEに、
そして
ドラムのKyoは
Merry Go Roundに加入した。
また、KouichiがLaputaに加入したことに伴って、LaputaのギタリストHidenoがMerry Go Roundに加入する。
最初期の名古屋系バンドには、ほかにDIE-ZW3E、
Of-J、
Brand new kiss XXXX、
Siluet
などがあった。
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1990年代中盤
黒夢らの成功で全国的に知られるようになったが、
その背景には、名古屋市を拠点とするライブハウスや大須にあった円盤屋などのレコード店の東京事務所による売り込みも関わっていたとされる。
円盤屋はもともと1980年代のイギリスのロックを中心に扱う店であったが、1990年代に入ってしばらくすると、
黒夢、
Sleep My Dear、
Merry Go Round、
FANATIC◇CRISISら
のメジャーデビューを手がけるべく東京事務所を開設し、メジャーレーベルに売り込みをかけるようになったという。
黒夢に続いて
ROUAGE、
FANATIC◇CRISIS、
Laputa
など
が次々と上京しメジャーデビューを果たす。
その後は、
kein、
Lamiel、
Phobia、
deadman、
Blast、
GULLET、
the studs、
lynch.
など登場したが、これらのバンド群はヴィジュアル系という言葉が世間に浸透した90年代後半以降に活動を開始しているため、名古屋系と呼ばれることは少ない。
2013年には、
次世代名古屋系を掲げて、
アルルカン
が結成されている。
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