増やせ「ドボジョ」…県発注工事に女性登用義務
秋田県は今月から、建設業で女性技術者の登用を義務づける県発注のモデル工事を東北の自治体で初めて
導入する。建設業界は男性が働き手のほとんどを占め、担い手不足が深刻だ。新たな試みで女性の活躍が進むかどうか、
期待が集まる。
県のモデル工事は今年度は道路や河川の改良工事など4件が対象で、発注額は4000万円以上を想定。現場監督を行う
「主任技術者」などの役職で、女性を最低1人以上登用することが入札の条件になる。女性専用トイレや更衣室の設置も
条件とし、労働環境を改善させる。
県建設業協会の会員企業259社のうち、女性技術者は66人と全体の2%(昨年11月時点)にとどまる。求人数に対して
毎春の新規高卒者の就職者の割合を示した「充足率」は、県内建設業で2010年に73%だったのが17年には21・7%に
落ち込み、主要産業のなかで最も低い。景気の回復基調などを背景に急増する求人数に、就職者が追いついていない。
高齢化も顕著で、15年の国勢調査によると、県内の建設業の就労者約4万7000人のうち、50歳以上の割合が56%を占め、
30年前の29%から20ポイント以上増えている。
このほか、県では女性を含めた若者の県内建設業への就職を促すため、今年度、完全週休2日制の導入や情報通信技術
(ICT)を活用した3次元測量の実施を入札条件とするモデル工事を計15件実施する。
また、13日の県議会に提案する補正予算案に関連費用を計上。「県建設産業担い手確保育成センター」を設立し、手薄だった
県外の大学、専門学校生向けの就業体験を増やし、Uターン増加を狙う。
県では来年度以降、女性技術者の登用を義務づけるモデル工事の対象の拡大も検討しており、県技術管理課の田口郁夫課長は
「『3K(きつい、汚い、危険)』のイメージを払拭し、女性や若者の業界就職を増やしたい」と意気込んでいる。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170611-OYT1T50028.html
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参考画像
http://www.skattsei.co.jp/topics/dobojo/