
全画像、全文はソース元へ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170706-00010000-gqjapan-life&p=1
不良たちに格闘技を通じて更生の場を用意し、プロデビューさせることをも視野に入れた総合格闘技大会「ジ・アウトサイダー」。
プロデューサーの前田日明が、格闘技と不良更生、そしていまの日本について語った。
【 ジ・アウトサイダーにはケンカ自慢が集まり闘う 】
■2008年、日本は冷たかった
前田日明は190センチをこす巨体をソファに沈め、ゆっくりとシガーをくゆらせた。
かつて新格闘王の名をほしいままにした彼は、ここ10年「ジ・アウトサイダー」という「不良に更生のチャンスを与える」ための格闘技イベントに取り組んでいる。
前田は紫煙のゆくえを追いながら語り始めた。
「ジ・アウトサイダーをスタートした2008年といったら第1次安倍内閣が終わり福田内閣の頃。グローバリズムや規制緩和が叫ばれ、いま大問題になっている社会格差が深刻化していきました。
あれから人の心が冷たく乾きはじめ、今では爬虫類のように冷淡で、温かみの感じられない世の中になってしまいました」
時を同じくして前田は長男を授かった。晩婚だった彼にとって息子は初子(ういご)。当時48歳の前田が一子の行く末、ひいては日本の将来に想いを馳せたのは当然のことだった……。
「息子が一人前の大人になったとき、自分なんか、もう死んでいるかもしれない。その時、オレなりの方法で日本の将来のためにやるべきことをやっておこうと決めたんです。こ
の先、社会格差が激化して多くの若者が壁にぶちあたるんじゃないか。それなら、せめて格闘技社会は彼らのためにチャンスをあたえなければと考えました」
前田の視線はすぐ不良たちへ注がれた。徒党を組み、街では肩で風切るケンカ自慢も、見方を変えれば落ちこぼれ者の虚勢。乱暴者が心を入れ変えようとしても、不寛容な社会は彼らを受け入れてくれない。
仕方なくマイナスのスパイラルへ落ち込んでいく。
「世の中全体がコンプライアンスの名の下に、格差を拡げ彼らを拒絶している。ネグレクト、つまり無視してしまっている。これって本当にツラい。
学歴がないうえ、犯罪にまで手を染めてしまった若者は夢を語ることのできない社会になってしまう」
前田は語気を強めた。
「自分もプロレスにスカウトされて、ずいぶん救われました。アントニオ猪木という理想であり挑むべきステイタスと巡りあえた。今度は自分がジ・アウトサイダーを通して不良たちに手を差し伸べたい」
ジ・アウトサイダーとは?
■ジ・アウトサイダーとは?
(略
黒石高大、または「濱の狂犬」
■黒石高大、または「濱の狂犬」
(略
理想を求める
■理想を求める
(略
語り終えた前田は、新しいシガーを取り出した。葉巻を愛おしむように、じっくりと火をつける。そんな彼の仕草とジ・アウトサイダーに向き合う姿勢が重なってみえた。
(略
(おしまい。