「人生100年会議とは?」(ここに注目!)
2017年09月11日 (月)
竹田 忠 解説委員
安倍政権の新たな看板政策、人づくり革命。
その具体的な政策を検討する、「人生100年会議」がきょう初会合を開きます。
竹田 忠 解説委員です。(たけだ・ただし)
アナ)そもそも、なぜ、政府が人生100年について議論するのか?
そこがポイントなんです。
日本人の平均寿命は、女性が約87歳、男性が約81歳。
100歳までにはまだ開きがある。
しかし、今回の会議の委員で、人材論や組織論で知られる
イギリスのリンダ・グラットン教授によると、
平均寿命は世界的に延びていて、
日本では、2007年生まれの人が107歳まで生きる確率は50%。
つまり今、10歳の子供の二人に一人は、107歳まで生きる、
という説を著書の中で紹介してるんです。
こうなると、決してオーバーではなく、
人生100年の備えが必要になってくる、ということなんです。
アナ)会議では、具体的に何を議論するのか?
まず議論の鍵となるのは、「長くなる老後」をどうするか、ということなんです。
たとえば、人生80年なら、65歳で引退して、老後は15年間。
これなら、年金や貯金でやりくりできます。
しかし、人生100年になると、老後はグっと伸びて、35年間。
人生の3分の1が老後、ということになる。
こうなると、年をとっても
できるだけ長く、健康で働く、ということが必要になってきます。
アナ)そのためにはどうすればいいのか?
そのためには、今の人生モデル、つまり、教育→仕事→引退、という、
この一方通行を変える必要がある。
具体的には、いったん社会に出ても、
また学校で学び直して、自分にとって、本当に必要な専門知識を身につける。
そのためには、大学の教育が変わらないといけない。
また年齢に関係なく、転職をして、
そのときの自分にあった仕事につけるようにする。
そのためには、企業の採用のありかたも見直す必要がある。
さらには、経済環境に左右されず、チャンと教育が受けられるよう、
幼児教育の無償化や、社会保障のありかたも見直す必要がある。
会議は年内には中間報告をまとめる予定ですが、
これはもう、日本の国の形を変えていくことになりますので、
財源も含めた、しっかりした議論が重要だと思います。
(竹田 忠 解説委員)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/279358.html