管内の農家が収穫期のアルバイトの賃金高騰や人手不足に頭を悩ませている。北海道の最低賃金810円の2倍近い時給1600円でも必要な人数が確保できない農家も多い。
人口が多く、働き手を確保できる帯広市から遠くなるほど顕著で、作業着や休憩所を完備し、中には給料に加えて「お小遣い」を渡すケースもある。こうした状況から、
衛星利用測位システム(GPS)付きトラクターによる自動運転などを活用し、省力化に知恵を絞る農家も出始めている。
「稼ぎやすいアルバイトなのに、派遣会社に頼んでも必要な人数の半分が確保できれば良い方だ」と、芽室町の農業、山川健一さん(41)は頭を抱える。
山ワサビや加工用キャベツなど42ヘクタールを耕し、収穫時期は夫婦2人に加え、最低でもアルバイトが2人必要だが、いつもぎりぎり。
学生と主婦が主な労働力のため、土日は特に厳しく夫婦だけで収穫することも珍しくない。
山川さんは「人件費の高騰は利益に響く。だけど、収穫しないことには仕方ない」と嘆く。
野菜類の収穫が本格化する夏前から農家はアルバイト情報誌や人材派遣会社で人集めに奔走するものの、働き手の確保は年々難しくなっている。
市内の人材派遣会社は「収穫作業は初心者にはハードルが高い。通年で働けないこともデメリット」と話す。
https://www.hokkaido-np.co.jp/sp/article/143201