微生物学: 大腸の炎症に対抗
腸内細菌科に属する通性嫌気性細菌の腸内での増殖は、ディスバイオーシス(微生物相バランスの乱れ)や炎症性腸疾患と関連付けられている。
今回S Winterたちは、タングステン酸塩を投与すると、炎症が起きている際にのみ機能するモリブデン補因子依存的な細菌の呼吸経路が選択的に阻害され、大腸炎のマウスモデルで炎症が緩和されるが、腸内細菌相の構成は変わらないことを示している。
この結果は、炎症性疾患への応答における微生物相の精密治療の有望な戦略の1つであるが、同様の手法がヒトでも有効であるかどうかを今後調べる必要がある。
http://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/90689