寝てない自慢が美談となる「社畜ミュージアム」:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/012900141/
「社畜あるある」を美術品にした「社畜ミュージアム」なる動画が、ちょっとした話題になっている。
最初に展示されているのは、椅子の背もたれに大胆にもたれかかり、天を仰ぐ男性の彫刻で、その名も『お手上げスライダー』。
「終わらない仕事に絶望し、ウォータースライダー状に石化してしまった社畜社員」──らしい。
ほかにも、ちょっと笑えて、切ないシュールな“作品”が展示されているので、まずはこちらからご覧下さい。
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「んなこと言ったって、動画が見られないつーの」という方のために、内容を説明しておきます。
「社畜ミュージアム」はモーツァルトのレクイエム「怒りの日」をBGMに、『お手上げスライガー』のほかにも、次のような作品が展示されている。
『戦慄のミッドナイトコール』(油絵)
深夜のクライアントからの電話が鳴り止まず、絶叫する若手社員。
『進捗モンスター』(彫刻)
暇そうな上司から「進捗どう?」と毎日詰められ、爆発寸前の社畜社員。
『寝てない自慢大会』(油彩)
「昨日3時間しか寝てないわー」「オレなんて2時間だし」など睡眠時間を競い合う大会。
『はじめまして、ごめんなさい。』(彫刻)
前任者の業務を引き継ぎ、何もわからぬ状態で、謝罪に行かされる新入社員。
『居残り部長』(油彩)
上司が深夜まで帰宅しないため、会社から脱出できない部下たち。
『月曜、襲来。』(彫刻)
連休が終わり、現実を受け入れられないまま、玄関で絶叫するサラリーマン。
そして、最後のメッセージがこちらです。
「働く人をもっと笑顔に。日本の中小企業を支えたい。」 by 中小機構
さて、いかがでしょう? 当美術館をお楽しみいただけましたか?
え?
そう。
そうなんです。
最後のクレジットにある通り、この動画は独立行政法人中小企業基盤整備機構のPR動画で、企業が抱える諸問題に対して、積極的に支援したいというメッセージを伝えるために製作された。
ふむ。
確かに、いますもんね。
こういう人たち。
っていうか、私自身がしょっちょう『お手上げスライダー』になっているし、寝起きは常に『月曜、襲来。』。
ただ、私の場合は企業勤めをしているわけではないので、単に自分の能力の低さから“作品”になっているだけなので、「自分働き方改革」に精を出すしかない。
問題は、これらの“作品”が職場のアチコチに“展示”されている場合だ。
特に『寝てない自慢大会』と『居残り部長』は厄介である。
『自由の女神」が、「私のように一番を目指しなさい!」と群衆にカツを入れたり、部長の”最期の晩餐”に部下全員が付き合わされる習慣がある限り、「働く人がもっと笑顔に」なんて到底ムリ。