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東日本大震災の被災地、福島県いわき市の財団法人ときわ会「常磐(じょうばん)病院」院長、新村(しんむら)浩明さん(50)は、
ふさぎがちな高齢の患者たちに笑顔を取り戻してもらおうと、ボランティアで時代劇の主人公にふんしての訪問診療に取り組んでいる。
人気の定番は「銭形平次」で、「遠山の金さん」「水戸黄門」などリクエストに応えて演じ分け、女性看護師も町娘役を兼ねて同行する。
「お年寄りが住みたくなる」街づくりが新村さんの夢だ。
「どうでい、ここしばらくの体調は」。同市常磐上湯長谷町の一角にある住宅で2月上旬。捕物の十手を握り、
雪駄で玄関の敷居をまたいだ「銭形平次」の新村さんに、出迎えた住人の80代女性がパッと笑みを広げた。
約3年前から続く、月に1度の訪問診療日。「顔色いいね」と話しかける新村さんに、居間に座っていた女性の夫は
「あの世はいっぱいだから、まだ来ちゃダメだってさ」と笑い、「先生が来ると、どういうわけか元気が出てきてね」。
震災直後、県内最多の人工透析患者約700人がいた常磐病院は、断水と停電で施設が使えなくなった。1人週3回は必要な透析ができなくなり、
新村さんは県や県内各地の医療機関に助けを求めた。
だが、原発事故で県内全域が混乱しており、県外に打診。東京、千葉、新潟の施設や行政が患者と家族を受け入れてくれた。患者全員が助かった。
続きと写真はソース 毎日2018・4・10
https://mainichi.jp/articles/20180409/mog/00m/040/002000c