よかれと思って、疑うことなくやっていた健康法。多くの人が一度は手を伸ばしたであろうものを集め、各専門家にその真実を聞いてみました。
効果がないならまだまし。健康を害することも……。人生100年時代を生き抜くためにも、間違った健康法は今すぐにやめましょう。
まず食事について。食べ物が消化・吸収される過程で人体にどう反応するかを究明する「生化学」に携わってきた医学博士でAGE牧田クリニック院長の
牧田善二氏が、肥満とカロリーの関係をこう指摘する。
「カロリーが高いものを食べると太ると思い込んでいる人がいますが、2008年の研究において、肥満とカロリーの関係性は否定されています。
糖質(≒炭水化物)の取りすぎによる血糖値上昇が肥満を起こすと証明されています」
つまり、脂身の多い肉をダイエットのために避ける必要はない。ぜい肉の原因は糖質のほうだ。摂取したら100%吸収され、エネルギーとして消費されなかった
余剰分が中性脂肪として蓄えられる。
果物なら太らないと考える人もいるかもしれないが、
「果物の果糖は太りやすいのです。糖にはエネルギーとして使用される順番があり、一番初めに使われるのがブドウ糖で、次に果糖。ブドウ糖と果糖を
一緒に摂取すると、先にブドウ糖が使われ、余った果糖は速やかに中性脂肪になります」
果物を食べるなら、朝食の最後に少量にとどめておくほうがいい。果汁を搾ってジュースにすると、多量の果糖を摂取することになる。そのまま食べたい。
次は習慣についてだ。
早起きは三文の徳と言われる。だが、睡眠評価研究機構代表で医学博士の白川修一郎氏はこう危惧する。
「高齢になると自然と朝型になります。極端な場合、夜7時に寝て深夜1時に起きてしまうことも。そこから眠ろうとしても寝付けず、不眠を訴えるようになる人が
少なくありません。認知症やパーキンソン病の原因物質は睡眠中に効率的に排出されることがわかっていますから、(体内に蓄積させないためには)十分な
睡眠が必要です。アルツハイマー病の15%は睡眠が原因であるという研究もあります」
高齢者は睡眠時間が5時間を切ると、免疫機能の低下に加え、様々な健康被害や交通事故の発生リスクが高くなるという報告もある。
「高齢者でも夜11時に寝て、朝6時に起床する7時間睡眠を目指してください。夕方に散歩をすると夜間のうたた寝を防ぎ、睡眠の状態をよくすることも
わかっています」
https://news.goo.ne.jp/article/dot/life/dot-2019100300090.html