[東京 17日 ロイター] - 2021年春季労使交渉(春闘)で主要企業が17日、労働組合の賃金要求に対して一斉に回答した。新型コロナウイルス感染症の先行きが懸念される中での交渉となり、基本給を底上げするベースアップ(ベア)は要求そのものが見送られるなど低調となっている。こうした中、トヨタ自動車や日産自動車は労組要求に対して満額回答となった。
金属労協の高倉明議長(自動車総連会長)は「経営側は、人への投資の必要性は認識するものの賃金改善には慎重な姿勢で、交渉は難航した」とした上で、「継続的な賃上げ獲得にこだわり交渉を行った結果、全体として賃上げをはじめとする人への投資の流れを継続できた」と評価した。
トヨタは労組側の要求通りで妥結した。定期昇給分などを含めた総額として全組合員1人当たり平均で月9200円、一時金(賞与)については年6.0カ月分で、総額は昨年の妥結額(8600円)より600円高く、賞与は0.5カ月分減った。日産も組合要求通り総額として組合員平均で月7000円の賃上げ、賞与は5.0カ月分を実施する。
労組がベア要求を見送ったホンダは、ボーナスである年間一時金を昨年の6.0カ月を下回る5.3カ月という労組の要求通りの回答を終えている。
パナソニック、三菱電機、富士通、NECは、ベアに相当する賃金改善額について、前年と同水準の月1000円で決着。日立製作所は1200円(前年は1500円)、東芝は1000円(同1300円)と減額になった。
2021年3月17日2:00 午後
ロイター
https://jp.reuters.com/article/japan-base-up-idJPKBN2B90I3