関西の地銀で証券、信託業務を拡大する動きが相次いでいる。平成28年2月に日銀がマイナス金利政策を導入して以降、利ざやが一段と縮小しているため、融資以外の周辺業務で収益を確保する狙いだ。各行は証券業務の強化や、信託兼営によって、顧客の囲い込みと手数料収入の拡大を図ろうとしている。(大島直之)
京都銀行は昨年5月に子会社の京銀証券が事業を開始。外国債券や仕組み債など幅広い金融商品をそろえ始めた。3年目の最終黒字化を目指していたが、初年度の30年3月期に最終利益6700万円の黒字スタートを切った。
京都銀の床本敬三常務執行役員は、証券業務の拡充により「顧客層の裾野が広がっている」と話す。
南都銀行は今年2月、奈良証券(奈良県大和郡山市)を31年3月までに子会社化する方針を表明した。南都銀の橋本隆史頭取は「低金利下の資産形成には、(株式や投資信託など)市場性商品で預かり資産を増やすことが有効だ」と意義を強調する。
大正銀行は今年3月から高木証券と連携。取り扱う投信商品を従来の40本から1800本に増やした。
一方、地銀が信託業務に本格的に乗り出す動きも強まっている。従来、多くの地銀は信託銀行の代理店として相続信託などを扱ったが、信託業務免許を取得すれば、遺言書の作成助言や、遺産分割手続きなどを自前でできるようになる。
南都銀は昨年4月、地銀では11年ぶりに信託業務免許を取得し、信託業務に参入した。京都銀も参入の準備を進めている。
関西アーバン銀行と、みなと銀行は、4月にりそなホールディングス(HD)グループの関西みらいフィナンシャルグループ(FG)傘下で経営統合したことを機に信託業務を強化。ともに経営統合した近畿大阪銀行と合わせて、グループのりそな銀行の信託業務代理店として販売体制を再構築した。
近畿大阪銀の中前公志社長は「りそなの信託業務は強みだ。今後はグループで展開をさらに広げたい」と話している。
(スレ立て依頼から)
2018.5.25 22:03
産経WEST
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