>>1 体力、実力…?なぜ「女流棋士」は男性の棋士に勝てないのか(FRIDAY) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/27e9836a37cebabbf6b387513bd4f5767e2ed32c 棋士編入試験は持ち時間3時間。それぞれ3時間だから、持ち時間を使い切れば6時間。その間にお昼休憩が
あるから、ほぼ7時間かかることになる。これはきつそうだ。体力差で女性は男性に勝てないのだろうか。
「確かに将棋は脳を使うので、私も1局指すと体重が2㎏ぐらい落ちたこともありました。それぐらい体力を
消耗します。将棋はメンタルな部分も多く、私が現役のころは、心を乱さないために対局前日は外出を
控えていました。対局翌日は疲れて起き上がれないこともありました」
それほど体力を使うのなら、体力差が敗因の一つかもしれない。
「女流棋士のタイトル戦には、女流名人戦、女流王将戦、女流王位戦、倉敷藤花戦、マイナビ女子オープン、
女流王座戦、清麗戦、白玲戦の8つがあります。現在、里見香奈さんは、女流王将、女流王位、倉敷藤花、
女流王座、清麗の5つのタイトルを保持していて、いずれのタイトル戦でも対局していますが、女流名人戦、
女流王将戦、マイナビ女子オープン、女流王座戦はいずれも持ち時間3時間、女流王位戦、清麗戦、
白玲戦は持ち時間4時間です。このような対局を経験しているのですから、持ち時間3時間の棋士編入試験が
とくにつらいということはないと思います」
では、男性と指し方が違うのだろうか。
「女性のほうが守りが多くて、男性は切り合いのような指し方をする人が多いと言われたことがありますけど、
女性でも攻めるのが好きな人は多く、ブスッと音が聞こえそうな攻撃的な指し方をする女流棋士も
いらっしゃいます。男女差というより、人それぞれだと思います」
ならば、なぜ女流棋士は男性の棋士に勝てないのか?
「競技人口の差だと思います。女流プロ棋士制度ができたのは1974年。そのとき女流棋士となったのは6人でした」
(略)
だったら、やっぱり女流棋士は男性の棋士に勝てない?
「そんなことはありません。棋士の公式戦には、女流棋士の枠も少しだけ設けられていて、よい成績を収めると、
この公式戦に出ることができます。棋士編入試験を受けることができるのは、直近の公式戦で10勝以上・
6割5分以上の成績を挙げること。つまり、里見女流五冠はすでに棋士相手に10勝以上しているわけです。
決して棋力が男性より劣っているわけではないのです」
1992年度の第1回高校文化連盟将棋新人大会では、女子の参加は15人だったが、2020年度は男子の参加が
92人に対し、女子は118人。奨励会にも2人の女性が所属し、2022年5月には中学2年生の女流棋士も誕生した。
「私が女流棋士になったのは26番目。それまで26人しか女流棋士がいなかったわけですけど、今は現役が74名。
引退した人を含めると108名になりました」
女性の将棋人口は確実に増え、すそ野が広がっている。女流棋士が増えれば、実戦も多くなり、力もついてくる。
男性との棋力差も縮まってくると思われる。