「ゼロコロナ政策の撤廃とそれによるパンデミックで、中国全土で薬がまったく足りていないんです。ネット通販もほぼ全て売り切れで、高額転売している人もいます。薬が手に入らないので、生姜湯とか大豆の煮汁とか、伝統医学に頼る家庭も多い。そんななか、日本に行けばまだ薬が手に入るとあって、我々の救いになっているんです。
解熱鎮痛薬の『タイレノール』や『イブプロフェン』、風邪薬の『パブロンゴールドA』などが特に人気です。それと子供用の風邪薬ですね。中国では子供たちにも感染が拡大していて、満足な治療が受けられずに苦しんでいる家庭がたくさんいますから」
そう話すこの男性もまた、都内薬局で複数の解熱鎮痛剤と『龍角散』ののど飴を購入したという。一部中国人観光客の爆買いにより、日本の薬局でも品薄が深刻化しており、「お一人様2個まで」など購入制限をかける薬局も多い。厚生労働省も昨年12月末より、全国の薬局やドラッグストアの業界団体に向け、一般用解熱鎮痛薬の購入制限を課すよう要請している。
春節最中の中国では、「余った薬を分かち合おう」という活動が各地で展開されており、雲南省昆明市では住人に対し、「帰省時に実家に余っていた薬を農村に持ち帰ろう」という通知が出された。広東省でも「薬を持って村に帰ろう」と銘打ったキャンペーンが行なわれているという。
「私たち観光客のせいで日本の薬局から風邪薬が減ってしまっていることについては、心から申し訳なく思います。ただ、中国は地方に行くほど病院も薬局も少なく、コロナに感染しながら治療を受けられない人がたくさんいるんです。どうにかして薬を手に入れて送ってあげないと死んでしまう。その事情もわかってほしいんです」(前出・北京市から来日した40代男性)
流通アナリストの渡辺広明氏が語る。
「日本国内では薬品メーカーの在庫は一般的に3か月程度と言われており、普段はそれほど回転していない商品なので、爆買いが始まるとすぐに在庫が尽きてしまう。日本人も買い占めに走ってしまうと、一時のマスクのように数日でなくなってしまう可能性がある。冷静な行動が求められています」
薬を入手したいという思いは、日本人にとっても中国人にとっても変わらないだろうが、いざという時に手に入らなくなってしまう事態を避けることはできるか。
以下ソース
https://www.moneypost.jp/988788
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