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2016/05/19(木) 14:22:56.30 ID:UkFcnZ710●
アニメや漫画など日本発のポップカルチャー人気が世界各地で若者を中心に高まっている。
中東諸国をはじめ普段日本と馴染みの薄い地域も同様に「火」がつき始めたが、アニメや漫画、関連グッズなどの正規品が流通しておらず、海賊版に頼らざるを得ないのが現状だ。こうした流れを打破するための取り組みが始まっている
◇「コミケ」超える動員力
まず、世界での動向について触れたい。約30カ国・地域のアニメやコスプレなどのイベントを統括する「国際オタクイベント協会」によると、世界では年間で約1千のイベントが開催されている。
特に人気なのは東アジアだ。中国で毎年行われる世界最大級の「中国国際動漫節」には約1週間で約140万人(主催者発表)が来場する人気ぶり。
日本最大規模の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)」が3日間で約52万人であることを考えても動員力のすごさは一目瞭然だ。
また、フランスでは「ジャパンエキスポ」が開かれ、日本文化のパビリオンとして定着。人気の波は南米にも波及しており、「アニメフレンズ」(ブラジル)などには多くの現地ファンが訪れる。
「聖闘士星矢」や「美少女戦士セーラームーン」などが人気で、熱心なファンは「ラブライブ!」など新しいアニメもチェックしているという。そしてロシアで日本発のコスプレ人気が続いていることは、メディアを通じてよく知られている。
バーレーンで昨年10月、日本のポップカルチャーを紹介し、ビジネス上の交流を促す「クールジャパンイベント」が開催された。そこで上がったのは、他国で作られた模造品ではなく、日本製の正規グッズを熱望する声だった。
2013年の開始以来、来場者は増え続け、今年10月の開催も決まっている。
同イベント製作委員会の瀬戸星次氏は「中東の若者からもアニメや漫画、ゲームに熱い視線が寄せられている」と語る。「ドラゴンボール」「キャプテン翼」などの定番作品が人気だが、「進撃の巨人」や「Fate」シリーズなど比較的新しい作品も見られているという。
バーレーンやサウジアラビア、UAEなどは産油国のため、国民の平均所得が高い。また、日中の屋外は暑いため、映画鑑賞などインドア系の趣味を楽しむ人が多く、アニメやゲームなどを受け入れやすい素地があるようだ。
しかし、現在の中東にはアニメ・漫画や関連グッズの正規流通ルートがない。複数の業界関係者は「一番の理由は、日本企業側がこれまで中東を『マーケット』として考えてこなかったから」と明かす。
現状の問題点は、海賊版グッズの横行と、現地のファンが海賊版サイトを視聴し、月に計100万を超えるアクセスがあること。しかし、日本の作り手に入る売り上げはほぼゼロに等しい。
「本物」を正規流通させるには、その地域で受け入れられやすいよう作品を手直しする「ローカライズ」など課題もあるが、瀬戸氏は「現在の悪い流れを変える必要がある」と力説する。
中東の大手メディア出版会社「サウジリサーチアンドマーケティンググループ」の調査では、同地域の2020年の市場規模は、アニメや漫画、ゲームで40億ドル超を見込む。
中東に注目する日本企業も出始めており、エンタメ系コンテンツの海外展開の補助金事業を運営する「JLOP」は「今まで中東地域は日本のコンテンツの『空白地帯』とも言えたが、徐々に補助金の相談件数が増えつつある」としている。
国際オタクイベント協会の佐藤一毅代表は「今のアニメ・漫画を好む世界の若者たちは将来、その国の“中核”を担うようになる。
アニメ・漫画文化を通じ、『親日』『知日』の人を育てることが今後の国同士の友好関係やビジネス関係を築く上で重要なのではないか」と話している。
http://www.sankei.com/premium/news/160519/prm1605190002-n1.html