喫煙率、学歴によって差 若者でくっきり
喫煙は格差の問題と大きく関わっている。厚生労働省の研究班が2010年の国民生活基礎調査をもとに調べたところ、学歴の違いで喫煙率に差がついた。
中でも25〜34歳の若い世代の差が大きい。男性は中卒の喫煙率が68・4%、高卒が55・9%に対し、大卒は36・5%、大学院卒は19・4%。
女性はそれぞれ49・3%、23・9%、6・6%、4・8%だった。
健康格差に詳しい、近藤尚己・東京大准教授は「若者でこれだけ喫煙率に差が広がっているのは、
未成年の段階で、すでに情報や環境の面で格差があることがうかがえる。未成年でたばこを吸い始めないための手立てが必要だ」という。
日本の高齢者約1万5千人を4年間追跡し、学歴別の死亡率を比べた2012年の論文では、男性で死亡リスクに最大約1・5倍の開きがあった。
「学歴の差が所得の差、ひいては喫煙、病気や寿命にも影響しているのかもしれない」と近藤さん。
「個人の努力だけで格差は縮まらない。屋内禁煙の法律やたばこ税の引き上げなど喫煙しにくい環境を政策で整えることが命の格差の改善につながる」という。
<アピタル・1分で知る・たばこ>
http://www.asahi.com/apital/healthguide/minute/(錦光山雅子)
http://www.asahi.com/articles/ASK596HZYK59UBQU00L.html