世界が注目するAWS先進ユーザー、Netflixのすごさ
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/122800596/010500001/
世界が注目するAWS先進ユーザー、Netflixのすごさ
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/122800596/010500001/
NetflixはパブリッククラウドサービスのAmazon Web Services（AWS）を、
2009年に大規模導入した先進ユーザーとしても知られる。
2017年末時点で、利用する仮想マシンは15万台超という。
AWSを大規模に利用しているだけではない。
システムを適切な単位に分割して独立性を高めることで頻繁な機能変更を可能にする
「マイクロサービスアーキテクチャー」の全面採用や、
自動復旧の仕組みを整えたうえで常態的にわざと本番環境の障害を起こして耐障害性を向上させる
「カオスエンジニアリング」の実践など、システム開発・運用の最先端をひた走る。
先進的なクラウドユーザーが集まるre:Inventでも、Netflixは別格。
世界最先端のユーザー企業といっても過言ではない。同社の取り組みから日本企業が学ぶことは多い。
Netflixは動画配信事業の全システムにマイクロサービスアーキテクチャーを適用することで、
機能変更の影響範囲を限定。従来は2週間掛かっていた機能変更までの期間を短縮した。
マイクロサービスの実践例は日本企業でもあるが、Netflixは規模がケタ違いだ。
Netflixのシニアソフトウエアエンジニアでクラウドネットワークエンジニアリングのジョン・ベネット氏によれば、
2017年の時点で「何千ものマイクロサービスがある」。
re:Invent 2014のセッションでは「500以上のマイクロサービスがある」との説明があったので、規模を拡大させている。
何千ものマイクロサービスがあると管理作業の負担が重くなるが、
各マイクロサービスの依存関係を可視化するツールを独自開発するなどして軽減。
一部のツールはOSS（オープンソースソフトウエア）として提供している。
わざと本番障害を発生させるカオスエンジニアリング
運用面で注目したい取り組みはカオスエンジニアリングだ。
これは前述の通り、自動復旧の仕組みを整えたうえで常態的にわざと本番環境の障害を起こし、耐障害性を高めるものである。
一般に、自動復旧の仕組みは想定通りに動作するとは限らない。
障害が発生して自動復旧できなかったときに慌てて対処するケースが散見される。
そこでNetflixは、故意に本番環境で障害や遅延を起こし、正しく自動復旧することを日ごろから検証。
実際の障害が発生したときに自動復旧する確度を高めている。
ただし、自ら本番環境で障害や遅延を起こすたびにユーザーに悪影響を与えるようでは本末転倒だ。
そこでNetflixは、障害を起こす時間を自動で管理したり、ユーザーへの影響が最小限になるよう
テスト対象のトラフィック量を自動計算したりするツール「ChAP（チャップ＝カオス・オートメーション・プラットフォーム）」を開発。
ユーザーへの悪影響を招くリスクを減らしている。
