任天堂の魔法?「段ボールでピアノ演奏」 仕組みを会社に聞くと...
任天堂「赤外線に反応している」
スイッチは、コントローラー「Joy-Con(ジョイコン)」に内蔵した装置が発生する細かい振動「HD振動」で、ボールが転がる触感や、ガラスの中で氷がぶつかるような触感を作り出す。
ジョイコンの「モーションIRカメラ」は、物体に赤外線(IR)を照射。反射した外線をカメラが捉えて映像化、スイッチに送り動きを読み取れる。
動画を確認したファンはそのため、ツイッターなどで
「やはりNintendo Laboのリモコンカーにタイヤのようなものは無いのでHD振動を使ってダンボールを意図的に振動させて進みたい方向へ進ませる技術が使われてる......」
「あーなるほど、ピアノのてっぺんにJoyconが挿さってて、そこからモーションIRカメラで鍵盤の動きを読み取ってるわけだ」
などと声を上げた。
だが、これはあくまで動画から推測できる範囲でしかない。実際のところ、ラボはどんな仕組みで動いているのか。
任天堂の広報担当者は、1月18日のJ-CASTニュースの取材に
「ジョイコンのモーションIRカメラが赤外線に反応している。2つのジョイコンを拡張アタッチメント(段ボールのキット)に組み合わせて色々な動きを体験できるようになっている」
と明かす。
「対象は、主に小学生だ。保護者の方と一緒に作り、仕組みを理解することで、どうしてこういう反応を示すのか考える。自分で発明することができる」科学者「新たなものづくり体験」
一方、『スーパーヒューマン誕生! ― 人間はSFを超える』(NHK出版新書)の著書をもつ東京大学先端科学技術研究センターの稲見昌彦教授は、1月18日のJ-CASTニュース編集部の取材に
「動画を見た限りではIRカメラを利用して、段ボールに取り付けられた再帰性反射シートの動きを計測することで所定の機能を果たしているように見える。
コントローラー内臓のジャイロセンサーも用いているようだ。HD振動はロボットの移動や恐らく釣りゲームの触感提示などにも利用するかもしれない」
と答えた。その上で、ラボがモノ作りを通じた教育に果たす影響について
「手作りの『工作』とゲームの楽しさがうまく融合していると思う。今回の製品はSwitchの当初のコンセプト『画面の外で遊ぶ』をさらに新たな形で提示したという点で驚いている」
とコメントした。
「今後世界で数百万ものユーザーが工作で慣れ親しんだ段ボールを使うなかで、カスタマイズしたり工夫したり、任天堂が当初想定しなかったような実装や
遊び方が出てきてまたそれを見せ合うコミュニティも生まれるのではないか。ラボを通した、創意工夫する新たなものづくり体験はSTEMないしSTEAM教育に寄与すると考える」
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12144-319046/