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【桂春蝶の蝶々発止。】大御所が倒れても…話芸の世界は不滅 落語、講談を人生にお役立てください!
2018.10.5
三遊亭円楽師匠が、初期の肺がんであることを発表されました。
4日から11日まで入院し、退院翌日から仕事復帰する予定です。落語界ではお宝のような方なので、
早く元気になって、何事もなく戻ってもらいたいと心から思っています。
そうそう、今年のノーベル医学・生理学賞に、日本人の本庶佑(ほんじょ・たすく)京都大特別教授が選ばれましたよね。
本庶先生が発見したタンパク質「PD−1」によって、がんの免疫治療薬が開発されました。
円楽師匠をはじめ、沢山の方の治療に役立てられることを祈っています。
しかし、最近の落語界は、大御所を中心に病で倒れられたり、高座に上がれなくなったり、
残念ながら鬼籍に入られる方もおられましてね。
20年後、落語界はどうなっているのか? お客さまを呼べる演者をたくさん輩出できているだろうか?
など、不安な要素はあるのです。
でも、実はある理由で、私はちょい楽観しているんですよ。
理由はズバリ、「落語ほどコスパのいい芸は存在しない」からです!
まず、演者は1人でオッケーです。出囃子も、お金がない時はCDでもテープでもいい。
舞台も金屏風があればうれしいですが、なければ黒幕でもいい。
あとは高座を立てて、毛氈(もうせん=フェルト)に座布団、マイクさえあれば、
主催者が「適当に2時間持たせてくれ」と言えば、何かしら良い噺を羅列して、オネオネしゃべってくれるんですから。
しかも、みんな大手プロダクションに入っていないので、「その時の感覚」でギャラが決まる。
住職が枕経(まくらきょう)を読むときのお布施に近いのが、われわれのギャラです(笑)。
どうです? こんなに投資した額に対し、何倍ものパフォーマンスが返ってくる芸は他にありませんぜ、旦那…えへへ。
あと、いま神田松之丞(まつのじょう)くんを輩出して意気が上がる「講談」にも注目です!
落語は長屋で起こったバカげた噺を語る「世話物」ですが、講談は実際にあった戦(いくさ)や乱を、
ケガなどで戦闘不能になってしまったお侍が語った「軍記物」。
いいところまで語って「この続きを聞きたい方は、この本を買ってくださいね」…と、台本を売りつける。
まあ今で言う課金システムですね。「続きはウェブで!」みたいな感じに商いしていた。そんな芸なのです。
各地には必ず、その土地の武将がいるし、伝記もある。それを楽しく勇ましく語ってくれるのが講談です。
だから「ウチの土地を語ってくれ!」と講談師に頼めば、郷土の物語を語ってくれます。どうですか? われわれ話芸の世界は、まだまだ不滅でしょう?
あなたの人生に、ぜひ落語を! 講談を! お役立てくださーい。
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