https://president.jp/articles/-/37136
「私も本音のところ、日本は好きではありません。でも国と私は別問題、仕事と夢のために我慢です」
かつての韓国人留学生、ユンさん。韓国の準難関大学を卒業後、母国の専門学校を経て日本の大学へ。数年前から都内のIT系ベンチャーに勤めている。ユンさんには夢がある。そのために日本で我慢している。夢とは何だろう。
「アメリカの大学院に進むことです。世界的な企業はもちろんですが、韓国の財閥大手に入れれば最高ですね」
韓国人にとってはもはや「踏み台」「残念賞」扱いの日本、選ばなければ大学に入れてしまう日本、よく考えれば誰でも大学に入れて学位を取得、卒業できてしまう国というのもすごい。そんな日本に、それまでの留学生とは違う、ある意味で「普通」のやんちゃな若者までが学歴と仕事、そしてキャリアを求めて日本にやってくる。他国の留学生は日本に興味があったり好きだったりだが、韓国人留学生の場合そうとは限らない現実。仕方なく来るという韓国人留学生とどう共生して行けばいいのか。私は最後に韓国人にも日本のアニメが好きなオタクがいるから、そういう人は親日で日本に来ているのではと尋ねた。
「大きな勘違いです。韓国でオタクは最底辺ですし、そもそも少ない。ジブリとかポケモンは韓国でも有名です。eスポーツが強いのも国家戦略です。そういうのは韓国ではオタクじゃない。日本独特の萌えアニメとか、そういうのが好きなのは特殊でパオフと呼ばれます。韓国では居場所のない連中です。それに連中も日本が好きと日本のアニメキャラが好きなのは別ですから。日本人はそういう人を見つけて喜ぶことが好きですね、テレビもそんなのばかり」
パオフとはスラングで日本なら「キモオタ」だろうか。確かに、日本の文化が好きで日本に来る外国人を扱った番組が人気だったりする。そこではたまに日本の深夜アニメや萌えキャラが好きな外国人が登場するが、それは韓国に限らず特殊も特殊な人である。別にそういう外国人を大切にすることは悪いことではないが、まるで日本のオタク文化が受け入れられていると考えるのは短絡に過ぎるし、日本でも大多数に受け入れられているかと言えば否だろう。私としては、昔に比べれば市民権を得たほうだとは思っているが。