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https://www.minyu-net.com/news/news/FM20200808-524831.php
南相馬市小高区で4日、コメや野菜など生産する「トムさん農園」が開園した。農園を経営する「小高ファーム・トムアグリテック」会長の富田秀雄さん(69)は、長男で社長の雄介さん(45)と共に、東京電力福島第1原発事故を経て約9年ぶりに営農再開。
富田さんは「小高から安全でおいしい農産物を提供したい」と古里での再出発を誓った。
農園では現在、7棟のハウスでナス、白ナス、ピーマン、パプリカ、オクラの5種類の野菜と、約40ヘクタールの水田でコメを、約15人の従業員らで栽培している。
5年後にはハウスを10棟に増設、水稲も約100ヘクタールまで増やして、営農規模と雇用の拡大を進めたい考えだ。農園では野菜やコメのほか、透水性や保水性に優れた培土も製造し、直売している。
富田さんは東日本大震災前、小高区で電子部品組立業「トム電子」を経営する兼業農家だった。原発事故による風評被害などの影響で部品の受注が減ったため、農業への本格的な事業転換を模索してきた。