東京湾の水温上昇でイワシが性転換、8割が雄に 温暖化で生態系に危機
生物の雌雄は遺伝情報で決まるが、魚の中には水温の影響で性転換する変わり者もいる。
水温上昇が続く東京湾では、イワシの仲間で性転換が急速に進み、約8割が雄になっていることが東京海洋大の調査で判明した。
自然界での確認例は世界初で、このまま地球温暖化が進行すれば生態系への大きな影響が懸念されるという。
一般的に、生物の雌雄は受精時の性染色体の組み合わせで決まる。人の場合、性染色体はXとYの2種類があり、XXは遺伝的に女性、XYは男性となる。
魚の多くも同様にXXは雌、XYは雄になるが、他の脊椎動物に比べ生活環境の影響を受けやすい。そのため孵化(ふか)前後の水温しだいで、遺伝的な性とは異なった形で精巣や卵巣が発達し、性転換してしまうことがある。
性転換で雄が増えていることが確認されたギンイソイワシ(山本洋嗣・東京海洋大准教授提供)
https://special.sankei.com/a/life/article/20200815/0001.html