総務省幹部、2日で答弁修正 接待問題、野党反発「虚偽だ」―参院予算委
2021年03月04日07時17分
3日から参院でスタートした予算委員会でも、総務省幹部接待問題が取り上げられた。谷脇康彦総務審議官は、同省が許認可権を持つ通信会社との会食の有無に関し、1日の衆院予算委での答弁を修正。野党側は「虚偽答弁」と反発し、与党からは進退問題に発展するとの声も出ている。
「通信会社と食事をした事実はないか」。立憲民主党の真山勇一氏が参院予算委でこうただすと、谷脇氏は「意見交換を目的に利害関係者の通信事業者と会食する場合はある」と答弁。続けて「国家公務員倫理法に反する会食はないと認識している」と付け加えた。
谷脇氏は1日の衆院予算委でも、問題となっている「東北新社」以外の衛星放送事業者や通信会社からの接待の有無を問われた。その際は「業界団体の立食パーティーなどの場で懇談、あるいは勉強会でご一緒するケースはあった」と説明していた。
わずか2日間で「立食パーティー」「勉強会」としていた答弁を「会食」に修正した背景には、3日付の週刊文春(電子版)の報道がある。
それによると、谷脇氏は総務省から認可を受けて事業を行うNTT関係者から、昨年までに計3回の高額接待を受け、必要な会食届も提出していなかったという。同誌は、辞職した山田真貴子前内閣広報官も総務審議官だった昨年6月に接待を受けたと報じた。
谷脇氏に関し、立憲の森裕子参院幹事長は記者団に「報道が事実なら明らかに虚偽答弁だ」として、菅義偉首相の責任を含めて追及する考えを強調。一方、自民党の閣僚経験者は「また新たな問題が出た。これ以上広がらなければいいが」と表情を曇らせ、公明党幹部は「谷脇氏は辞めざるを得ない」との見方を示した。
立憲は3日の参院予算委で、首相の長男ら東北新社側から接待を受けた総務省幹部が、相手を利害関係者と認識していたかもただした。同社などが運営する衛星放送の許認可をめぐり、山田氏や吉田真人総務審議官が決裁していたことを問題視。吉田氏は「大変恥ずかしい話だが、会食の時点で利害関係に当たると認識していなかった」と苦しい答弁に終始した。(2021/03/04-07:17)
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