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「意気込みが感じられない」。4日に就任した松野博一官房長官が拉致問題担当相を兼務する新内閣の陣容について、北朝鮮による拉致被害者家族らからは落胆の声が漏れた。
新潟市で北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=失踪当時(13)=の母早紀江さん(85)は川崎市で報道陣の取材に応じ、近年の担当大臣と異なり、松野氏は面識がないと明かした。拉致問題担当相が専任ではなかったことについて、「専門でやってくれる人がいたら、と思うとさみしい」と嘆いた。
めぐみさんは5日、57歳になる。弟の拓也さん(53)は「拉致問題を最重要課題として捉え、官房長官にはリーダーシップを取ってもらいたい」と松野氏に求めた。岸田文雄首相には早期に面会し、解決を求めたいとした。
拉致被害者家族会代表で田口八重子さん=同(22)=の兄飯塚繁雄さん(83)は、兼任の拉致担当相について「片手間でやれる雰囲気だが、そんなことじゃだめだ」と訴えた。
https://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20211004645530.html