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コロナ予算の活用ずさん 全体の3割未執行、無駄も
国の予算の使われ方を調べる会計検査院が5日公表した決算検査報告で、新型コロナウイルス対策事業の「無駄と遅れ」が判明した。布マスク8千万枚の余剰などの無駄が指摘されたほか、計上された約65兆円のうち未執行額は3割超の約22兆円になった。感染拡大を防ぎ、経済を支えるための資金の活用が不十分だった。新たな経済対策をまとめる政府にとって、迅速かつ適切な予算執行を進められる体制づくりは急務だ。
ココアの改善要求
検査院は今回、コロナに関する個別事業8つを取り上げ、妥当性を検証した。会計検査院法に基づく改善要求を出したのは、接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の不具合を巡る対応のみだった。
残る7事業はコロナ下で政策判断が難しかった事情をくみ注意喚起にとどめたが、ずさんな契約や管理、不適切支出による無駄などが明るみに出た。
飛沫感染を防ぐため調達された布マスクは、3月末時点で全世帯向けのいわゆるアベノマスク400万枚と、介護施設などで利用を見込んだ約7800万枚の計約8200万枚が配布されずに倉庫で保管されていた。
保管にかかった費用は2020年8月〜21年3月で計約6億円。保管業務は日本郵便が担っていたが、昨年11月以降は一般競争入札で落札した佐川急便に順次移送されていた。
布マスクの衛生基準についても、厚生労働省は事業者に口頭で「くしゃみやせきの飛沫を防ぐ構造であること」などと説明しただけで、仕様書を作成していなかった。検査院は「緊急時でも品質基準を明確に定めた仕様書を作成すべきだ」と指摘した。
ココアの不具合を巡る対応では、開発したシステムのテスト体制などの管理などが不適切として厚労省に改善を求めた。
中小企業に最大200万円を支給する「持続化給付金」は再委託費率が99.8%と経済産業省の他の61事業の平均(54.6%)を大きく上回った。再委託が最大で9次請けまで繰り返され、事業の参加者は延べ723者に上った。検査院は「主要業務は国が管理できる範囲で実施させる工夫が必要」とした。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE02C970S1A101C2000000/