まず、有名なのは、発言した小池百合子知事が大炎上してしまったものではあるが、コロナの死者数だ。1396万人の人口を有する東京都に対して、大阪府の人口は881万人だ。なのに、コロナの死者数は大阪の方が500人多い。つまり死亡率は大阪の方が圧倒的に悪く、さらに死亡率の全国平均から比べても大阪は悪い。
コロナで死亡する原因は、複合的な要因が考えられるので、予算を減らしたことが悪いと直接的には言えないものの、行政は住民の命を守る責務がある。少なくともコロナについて、大阪の改革が成功したとは言い難い。
次に、なぜ大阪の政治家が東京に対して上から目線になれるのかがわからないのは、私立高校の無償化だろう。「鈍感力」の大切さを動画で説き続ける馬場伸幸・維新共同代表は、街頭演説で、「私立高校授業料、47都道府県の先頭を走って無償化を進めています」「大阪へ来ると幼稚園・保育園・小中高・大学が無償化になっている」と発言しているが、大阪における私立高校無償化の実態は「年収590万円未満の世帯」という所得制限がついている。
対する東京は「年収910万円未満の世帯」が高校無償化の対象となっている。要するに大阪はこの件で東京の後ろを走っている。
こういった大阪の改革を国政や東京へ広げろと主張するのは、年収590万円以上の金持ちに、無償化など必要ないという主張以外にないはずだ。それはそれで一つの見識であると思うが、維新のある候補者(前大阪市議)は、「所得制限で私立高校授業料支援の対象外になった。今は収入高くても、自分は大学奨学金の返済があり生活が大変です。一律の所得制限に違和感あるとのご意見。さまざまな生活状況があり、給料の額だけで判断をすることは難しい。所得制限のない教育無償化をすすめていきたい」とツイッターへ投稿し、大阪の改革が不十分だったことを認めた。
大阪が東京より偉いかどうかは依然として不明なままだ。(おわり)