安倍晋三元首相の国葬への是非を巡り、「国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだった」と自身のツイッターに投稿した小林貴虎・三重県議(48)=自民=が5日、県議会の戦略企画雇用経済常任委員長を辞任した。
同日に開かれた委員会で、「議事の進行に影響があるため」などと理由を説明したが、他の委員からは説明不足だとの批判が上がっている。
ツイートは、特定の国民や民族に対する差別を助長する内容で、3日に開かれた県議会の代表者会議では、他会派から「悪質なデマだ」「何の根拠に基づいた発信か明らかにすべきだ」などと批判が上がっていた。
5日の同委員会では補正予算審議が予定されていたが、ツイッター投稿の問題を受けて冒頭、他の委員が「投稿はこれまでの県議会の(差別解消に向けた)取り組みを踏みにじるもので、断じて容認できない。
委員長が自ら(投稿の根拠を)説明できないのであれば、委員長の資質に欠ける」と批判した。これに対して小林氏は「議事の妨害にあたる。不規則発言だ」と抗議。議事が約5時間にわたって中断した。
この間に、委員長解任を求める決議案が他の委員により準備されたが、小林氏は委員会の再開後に辞意を示し、最終的に決議案の提出には至らなかった。
他の委員からは「なぜ(議事が)混乱したと考えているか説明すべきだ」との声が上がったが、小林氏は答えなかった。
小林氏は3日の毎日新聞の取材に「隣の大陸」とは中国を指していると述べた。小林氏は2019年にもツイッターでヘイトスピーチにあたる投稿をして、県議会の正副議長による声明で非難された。
21年には男性カップルの自宅住所をブログで公開し、県議会から議長名で厳重注意を受けた。【朝比奈由佳】
https://mainichi.jp/articles/20221005/k00/00m/010/286000c