直接農家と取引、代替品使用… 物価高の年末、お節料理も工夫で値段据え置き 熊本市の日本料理店
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ウクライナ危機や円安による物価高にさらされたまま年末を迎えた日本だが、熊本市東区の「割烹笑楽[かっぽうしょうらく]」は工夫を重ね、正月用お節の価格を据え置いた。30日は、従業員たちがてきぱきと重箱に料理を詰めていた。
店主で日本料理人の池田彰弘さん(61)は材料費高騰の中、客離れを心配し、お節の価格と品数は変えないと決め、仕入れから見直した。なますなどに使うダイコンは直接農家と取引。入手困難となったロシア産タラバガニの料理に代えて、芝煮に使う県産クルマエビの端材をえびしんじょうにした。型がまちまちな数の子を仕入れて西京漬けにし、詰める時に見栄えを整えた。価格据え置きが奏功し、例年と同じ300個の予約を受け付けた。
この2年半余り。新型コロナウイルスに振り回され、客足が落ちた時は弁当販売で経営をつないだ。その後に襲った物価高に改善の兆しは見えない。池田さんは「今後も質を落とさないよう、やりくりするしかない」と自らに言い聞かせる。「お客さんには、うちのお節で笑顔の新年を迎えてほしい」(中原功一朗)