プリンストン大学の研究者たちがクラウドソーシングにより25万人ものゲーマーの助けを借り、
脳機能マッピングを行ったところ、新たに6種類のニューロン(神経細胞)を発見することに成功しました。
Princeton researchers crowdsource brain mapping with gamers, discover six new neuron types
https://www.princeton.edu/news/2018/05/17/princeton-researchers-crowdsource-brain-mapping-gamers-discover-six-new-neuron
研究で用いられたゲームは、2012年に発表された3Dパズルゲーム「EyeWire」です。
記事作成までに26万5000人がプレイして1000万個以上の3Dパズルを解き、
結果、3000個以上のニューロンのマッピングに成功しました。
EyeWireは以下のサイトからプレイすることが可能です。
EyeWireでプレイヤーが解読するパズルはキューブ状になっています。
このキューブは単一の細胞をさらに細かく分解したもので、1辺4.5ミクロンという微少サイズです。
各細胞は5〜25人ほどのプレイヤーがキューブパズルを解くことでマッピングされるようになっており、
同研究に携わるエイミー・ロビンソン・スターリング氏によると、
「初期の段階では1つの細胞を仕上げるのに数週間かかっていました」とのこと。
しかし、その後ゲーム環境の改善や成果報酬の追加、チャット機能の搭載などにより徐々にゲームとしての完成度が高まっており、
週30時間以上もプレイするユーザーが登場するほどの人気っぷりを得ており、
脳地図作成にかかる時間は短縮されているものと思われます。
そんなEyeWireをプレイすることで得られたデータから、
神経科学およびコンピューターサイエンスの分野で活躍しているセバスティアン・スン教授が、
脳研究に携わる研究者や一般人が誰でも利用できるニューロンのインタラクティブなアーカイブ
「EyeWire Museum」を作成しました。
EyeWire Museumの開発に携わった大学院生のアレクサンダー・ベー氏は、
「この博物館(EyeWire Museum)は脳の地図のようなものです。
これまでの脳地図には、個々の細胞や細胞のサブセットを視覚化したり、それらと相互作用するような機能はありませんでした。
しかし、EyeWire Museumのデータは個々の細胞の形態情報を持っているだけでなく、機能データも有しています」と、
EyeWire Museumの有用性について語っています。
研究者によるとニューロンは数千億個がつながっており、脳は計り知れないほど複雑であるそうです。
そして、神経科学者たちによる脳研究は複雑な構造における「パーツリストを組み立てている段階」のようなものであると指摘。
EyeWireの共同創始者のひとりであるニコラス・ターナー氏は、
「破壊しようとしている部位がどのようなパーツでできているか知ることで、
それがどのように機能するかを理解することにもつながります」と語っています。
EyeWireを用いた研究は実験用マウスの網膜の調査からスタートしており、
「網膜はただ単に光を管理するだけではなく、網膜神経節細胞は視覚認知の第一段階となっている」とスン教授は語っています。
網膜は脳と同じ胚組織から成長するため驚くほど複雑な構造をしていますが、脳よりはるかに単純な構造をしています。
そのため、これまで網膜神経節細胞などは単純な構造と考えられていたのですが、EyeWireを用いた研究がその認識を改め、
複雑な構造や役割について解き明かすための絶好の機会を与えてくれている模様。
なお、なぜ網膜神経節細胞について調査を進めているのかについて、
研究チームは「網膜神経節細胞は網膜と脳のつなぐもので、脳に戻ってくる唯一の細胞だから」としています。
関連リンク
EyeWire Museum
http://museum.eyewire.org
3Dパズルゲーム「EyeWire」
https://eyewire.org/explore
GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20180521-brain-mapping-gamers-discover-new-neuron/
続く)
脳機能マッピングを行ったところ、新たに6種類のニューロン(神経細胞)を発見することに成功しました。
Princeton researchers crowdsource brain mapping with gamers, discover six new neuron types
https://www.princeton.edu/news/2018/05/17/princeton-researchers-crowdsource-brain-mapping-gamers-discover-six-new-neuron
研究で用いられたゲームは、2012年に発表された3Dパズルゲーム「EyeWire」です。
記事作成までに26万5000人がプレイして1000万個以上の3Dパズルを解き、
結果、3000個以上のニューロンのマッピングに成功しました。
EyeWireは以下のサイトからプレイすることが可能です。
![【脳科学】脳マッピングをゲーマーにクラウドソーシングすることで新種のニューロンを発見することに成功[05/21] ->画像>8枚](https://i.gzn.jp/img/2018/05/21/brain-mapping-gamers-discover-new-neuron/01.jpg)
EyeWireでプレイヤーが解読するパズルはキューブ状になっています。
このキューブは単一の細胞をさらに細かく分解したもので、1辺4.5ミクロンという微少サイズです。
各細胞は5〜25人ほどのプレイヤーがキューブパズルを解くことでマッピングされるようになっており、
同研究に携わるエイミー・ロビンソン・スターリング氏によると、
「初期の段階では1つの細胞を仕上げるのに数週間かかっていました」とのこと。
しかし、その後ゲーム環境の改善や成果報酬の追加、チャット機能の搭載などにより徐々にゲームとしての完成度が高まっており、
週30時間以上もプレイするユーザーが登場するほどの人気っぷりを得ており、
脳地図作成にかかる時間は短縮されているものと思われます。
そんなEyeWireをプレイすることで得られたデータから、
神経科学およびコンピューターサイエンスの分野で活躍しているセバスティアン・スン教授が、
脳研究に携わる研究者や一般人が誰でも利用できるニューロンのインタラクティブなアーカイブ
「EyeWire Museum」を作成しました。
EyeWire Museumの開発に携わった大学院生のアレクサンダー・ベー氏は、
「この博物館(EyeWire Museum)は脳の地図のようなものです。
これまでの脳地図には、個々の細胞や細胞のサブセットを視覚化したり、それらと相互作用するような機能はありませんでした。
しかし、EyeWire Museumのデータは個々の細胞の形態情報を持っているだけでなく、機能データも有しています」と、
EyeWire Museumの有用性について語っています。
![【脳科学】脳マッピングをゲーマーにクラウドソーシングすることで新種のニューロンを発見することに成功[05/21] ->画像>8枚](https://i.gzn.jp/img/2018/05/21/brain-mapping-gamers-discover-new-neuron/01.png)
研究者によるとニューロンは数千億個がつながっており、脳は計り知れないほど複雑であるそうです。
そして、神経科学者たちによる脳研究は複雑な構造における「パーツリストを組み立てている段階」のようなものであると指摘。
EyeWireの共同創始者のひとりであるニコラス・ターナー氏は、
「破壊しようとしている部位がどのようなパーツでできているか知ることで、
それがどのように機能するかを理解することにもつながります」と語っています。
EyeWireを用いた研究は実験用マウスの網膜の調査からスタートしており、
「網膜はただ単に光を管理するだけではなく、網膜神経節細胞は視覚認知の第一段階となっている」とスン教授は語っています。
網膜は脳と同じ胚組織から成長するため驚くほど複雑な構造をしていますが、脳よりはるかに単純な構造をしています。
そのため、これまで網膜神経節細胞などは単純な構造と考えられていたのですが、EyeWireを用いた研究がその認識を改め、
複雑な構造や役割について解き明かすための絶好の機会を与えてくれている模様。
なお、なぜ網膜神経節細胞について調査を進めているのかについて、
研究チームは「網膜神経節細胞は網膜と脳のつなぐもので、脳に戻ってくる唯一の細胞だから」としています。
関連リンク
EyeWire Museum
http://museum.eyewire.org
3Dパズルゲーム「EyeWire」
https://eyewire.org/explore
GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20180521-brain-mapping-gamers-discover-new-neuron/
続く)