スカパーJSATは10月24日、視覚障害「ロービジョン」の人向けに放送視聴サービスを提供するための取り組みを始めたと発表した。超小型レーザープロジェクターを使い、映像を網膜に直接投影する技術を活用。一般の人も視力によらず映像を見られるという。
同技術を使ってスカパー!放送サービスを視聴できる一定の実証が完了したため、デモシステムを、視覚障害者向けイベント「Sight World」(11月1〜3日、すみだ産業会館サンライズホール)に出展する。
超小型プロジェクターからの微弱なレーザ光を網膜に投影する技術と、目に映っている風景の上に、デジタル映像を直接上書きする技術を組み合わせた、QDレーザーが研究開発する技術「VISIRIUM Technology」を活用する。
網膜に映像を投影するため眼のレンズである水晶体の状態に影響を受けにくく、視力やピント位置に関係なく、眼鏡やコンタクトレンズをしていなくてもボケのない映像を見られるという。また、実風景と投影映像のピントずれが原理的に起こらず、視界にデジタル情報が融合する新しい体験ができるとしている。
ロービジョンは、視機能が弱く矯正もできないが全盲ではない人で、国内約150万人以上いると推測されているが、うち10%程度の人は、「VISIRIUM Technology」で映像をみられると推定しているという。また、視力(ピント調節能力)によらず映像を見られる技術は、ロービジョンの人だけでなく一般の人でも利用できるという。
VISIRIUM Technologyは、眼鏡型デバイス「RETISSA Display」として市販されている。
■網膜投影の原理模式図
ITmedia NEWS
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